このまちレポート

川崎市長に「簡易宿泊所の火災にあたり、安全安心の居住政策を求める申し入れ」を行いました。

2015年6月5日

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6月5日、市議団として上記内容の申し入れを行いました。副市長と健康福祉局長が対応し、懇談を短時間行いました。

日新町には32施設あり、居住者全員にアンケート調査を行いたいと考え、まずは、3層のかたがたからアンケートを実施するとのこと。居住確保支援員が転居の支援などを含めて行っているが川崎区担当を若干増やしてあたっていきたいと思っているなどが話されました。申し入れ書は以下の内容です。

5月17日に日進町の簡易宿泊所で火災が発生し,死者10人、負傷者18人(5月27日現在)の被害をうむ重大な事態となりました。被害にあわれた皆様に心からお悔やみを申し上げます。火災の原因はまだ明らかになっていませんが、市による立ち入り調査等を通じていくつかの問題点が浮き彫りになってきました。

第1に、当該宿泊施設が2階建てとして市に届出されながら、実質は3層の吹き抜け構造になっており、違法建築の疑いも指摘されていること。

第2に、火災発生以前に市消防局や保健所などが立ち入り検査を行っていたにもかかわらず建築指導課には通知していなかったこと。

第3に一時的な宿泊先であるはずの場で、高齢者らが生活保護を受けて長年暮らしていること。こうしたことが明らかになりました。

簡易宿泊所火災申し入れ写真共産党市議団はこれまでにも、簡易宿泊所には多くの生活保護受給者が住んでいるという実態から、(1)住居が決まっていない人の生活保護需給の際に安易に簡易宿泊所を紹介せずにアパートへの入居をすすめ、その際の障害となる保証や資金・生活習慣の改善などの問題に市が責任を持って対応すること。

(2)居住者の安全を確保するために、健康福祉局・消防局・まちづくり局が連携して、消防法や建築基準法など法令違反の解消に努めるべき、と指摘し改善を求めてきました。

その結果、2013年度から5人の居住確保支援員が配置され、その支援などで219人がアパートに転居しています(2014年度)。各局が連携して情報を共有し対応する「建築物及び建築物の使用に関する違反防止連絡協議会」はつくられたものの十分に機能しなかったことが今回の問題の背景にあることは非常に残念です。

そこで今回のような事態を2度と繰り返さないために

① 先に述べた「違反連絡協議会」を実効性のあるものとする。まちづくり局、消防局、健康福祉局は、立ち入り調査や生活保護受給者との面談などの機会に消防法や建築基準法違反の状態を知りうる立場にある。これらの情報を関係する健康福祉局・消防局・まちづくり局が共有し、指導・改善すること。

② 住居が定まっていない人が生活保護を受ける際に、安易に簡易宿泊所などへの入居を勧めるのでなく、アパートの直接入居を勧めること。その際に障害となる保証や資金・改善などの問題に市が責任をもって対応すること。

③ 高齢の生活保護受給者の中には、特養ホームへの入居が必要な人なども存在することから、特別養護老人ホームを緊急に増設すること。

市が居住の安定確保の公的責任を果たすこと。生活保護受給者のうち公営借家に住む世帯の割合は、政令市全体では17%だが、川崎市は11%と低くなっている。川崎市営住宅の応募倍率は低いところでも4倍、高いところでは、200倍近い倍率となっており、圧倒的に市営住宅が不足している。安価に利用できる公営住宅を借り上げ住宅も含めて整備すること、福祉住宅を整備すること