議会活動報告

簡易宿泊所火災事故について健康福祉委員会で報告がありました

2015年6月16日

  6月10日の健康福祉委員会において、簡易宿泊所の火災事故後5月19日から3日間行った3局合同の立入検査の実施結果と今後の取り組みについての報告が消防局、健康福祉局、まちづくり局からありました。

日進町の簡易宿泊所49棟に対して行なった合同立入調査をとおして、これまで、消防局は消防法による立入調査を、健康福祉局は、旅館業法に伴う保健所等の立入検査や生活保護受給者への訪問などで,3層構造を把握していたにもかかわらず、まちづくり局建築指導課には、通知をしていなかったことが問題となっていました。

5月29日に「平成27年度第1回建築物及び建築物の使用に関する違反防止連絡会」を開催して、法令違反を見逃さない仕組みづくりとして今後の対策を協議したとの報告がありました。

委員会で、この協議会の設置と開催状況を質問したところ、「平成19年度に設置し、これまで平成21年度に会議を行った」という答えで、設置したものの機能していなかったことが明らかになりました。

共産党市議団が6月5に行った申し入れでも指摘しましたが、5月29日開催された同協議会では、課題として、庁内関係部局の連携不足と協議会の機能不全、定期的な合同調査実施の必要性をあげ、今後、定期的な協議会開催の取り決めや情報伝達システムの構築、合同調査実施のルール確立などについて、要領を制定し、法令違反を見逃さない仕組みをつくると報告がありました。まちづくり局建築指導課は、現在、違法建築かどうかを精査中とのこと、また、市として3層部分について、使用停止の申入を行なったことの報告がありました。

健康福祉局は、3層構造の施設32棟の3層部分に居住している方々250人に意向調査を実施し、その結果が報告されました。「簡易宿泊所から転居したいですか」の問いには約半数が「はい」と答え、民間アパートや公営住宅に移りたいという回答がほとんどでした。「いいえ」と答えた人の「転居したくない理由」について、簡易宿泊所には管理人や仲間がいる、金銭管理に自信がない、アパートの生活の仕方がわからないなどの回答が多くを占めていました。

私は、平成24,25年度の健康福祉委員会の請願審査のなかで、川崎区で空いている木造住宅の調査をすることと、旅館業法の簡易宿泊所に居住している生活保護を受給されている方がたのアパートへの転居支援を行うよう求めてきました。空きは3千戸ほどあり、川崎市は2013年度から居住確保支援員を5人、(川崎区3人、高津区と幸区に1人ずつ)福祉事務所に配置し、転居支援も行うと回答がありました。6月10日の委員会では、昨年度は219人の転居をおこなったとの回答がありました。

今委員会でも、「現在、この3層に住んでおられる方々に対し、民間アパート等への居住確保の支援を行うこと、金銭管理など生活支援の必要から生活支援員を配置すべき」と質問しました。担当課長は生活保護制度の中で新しいスキームを検討していると答弁しました。3層部分の居住者以外にも、1、2階で2畳から3畳ほどの劣悪な環境で生活されている保護受給の方々もおり、そうした方々にも意向調査の実施と、アパートなどへの転居支援を行うことも求めました。

6月10日に私達が市長宛に「簡易宿泊所の火災に当たり、安心安全の居住政策を求める申入れ」をしたように、住居が定まっていない人が生活保護を受ける際に安易に簡易宿泊所等に入居をすすめるのでなく、アパートに直接入居ができる支援も必要ということも質疑しました。

2度とこのような事態をおこさない取り組みが必要です