このまちレポート

公益財団法人川崎市身体障害者協会と懇談しました

2015年7月26日

DSC020537月17日、川崎市身体障害者協会の中込会長さんはじめ理事の皆さん方と懇談しました。それぞれ所属団体の要望の説明をしていただきました。障害の特性に添った切実な要望ばかりです。以下紹介します。

視覚障害の団体から、「市役所、区役所から送付される全封書に点字表記を要望します」視覚障害者の方が受け取った郵便物を区別する事は容易ではありません。もしも郵便物に発信元名称の点字表記があれば、市役所からの大事なお知らせか、普通のダイレクトメールであるかを区別できるという理由です。

聴覚障害の団体から、「神奈川県に手話言語条例が成立・施行に伴い、行政や川崎市民にも手話の普及等に関する施策を推進するよう要望します」具体的には「行政や病院などの公的機関に手話通訳者の雇用と設置を要望します」等です。

肢体障害の団体から、「障害者スポーツなど施設の早期建設を要望します」現在、川崎市には障害者スポーツ施設がない為多くの方が、横浜市や東京都の施設に行き練習やリハビリ訓練をしている。人の目を気にせず仲間や知識を持ったスタッフのもとで、気軽にスポーツに巡り会ったり、リハビリ等に心置きなく励む事が出来、充実した生活を送る事が出来れば、医療費の抑制にもつながります。

脳性マヒ者協会から、「全身障害者の移動に関わる車いす対応のタクシー(福祉キャブ)の台数を増やす事、併せて、重度障害者福祉タクシー利用券の交付枚数を増やす事を要望します」障害者の社会参加が謳われて久しいのですが、今でもなお、介助者と車が同時に確保できなければ外出できない。移動手段の確保は生活権の保障そのものです。

脊髄損傷団体から、「災害時において宿泊施設を2次避難所とする協定の締結を要望します」社会福祉施設が障害者等を受入れる2次避難所だが、入所者や利用者などで多くの障害者等を受け入れが困難になる場合も考えられる事から旅館、ホテルなども災害時の2次避難所となるよう協定を締結してほしいという要望です。

オストミー協会から、「ストーマ装具の給付金額の残余の繰り越しを要望します」。オストメイトのかたがたは、体調や身体の状況によってストーマ装具を何回も交換する場合もあり、今までは給付時の残り金額は繰り越し出来たのに、昨年度から出来なくなった。繰り越しを認めてほしい。

難聴者団体から、「聴覚障害者情報文化センターの次期指定管理費の増額を要望します」今年4月より手話言語条例の施行や来年4月の差別解消法の施行に伴い、手話通訳者派遣の需要が増え,派遣費が急増しているため、難聴者の為の講座回数を減らすなど事業実施に影響が出ている為、派遣費の実績保障が出来るよう項目を設けてほしい。要約筆記者養成講座は現在、「手書きコース」と「PCコース」を隔年で実施しているが、登録要約筆記者が激減しているので、年2コースを実施できるよう予算の増額をしてほしいという理由です。

腎臓病連絡協議会からは、「重度障害者医療費助成制度について、重度の障害児者、透析者が負担なく医療がうけられるように現行制度の維持継続を要望します。」透析患者の多くの方々は就職できない方が多く、また少ない年金収入に頼って生活する方が多く、県の重度障害者手当の廃止、心身障害者手当の実質廃止されている状況なので、是非、引続き重度障害者医療費助成制度の継続を求めるというものです。

身体障害者協会から「市として『障害者差別禁止条例』を制定するよう要望します」障害者基本法の改正、障害者差別解消法、障害者権利条約の批准など障害者の自立と共生の社会づくりに向けた法律の整備が進められてきました。

障害を理由にした差別の禁止や合理的配慮の提供は、共生社会づくりには欠かせません。障害者の活動を制限している社会的障壁の除去を進め、障害に対する正しい理解を広め、障害のある人もない人も共に地域で普通に暮らせる社会を築く為、川崎市として『障害者差別禁止条例』を制定するよう要望します。