市議団の視察は二手に分かれ、私は後発隊の21,22日奈良市、西宮市、岡山市へ行ってきました。1日目の報告です。
1日目のはじめは奈良市の自校調理方式による中学校給食です。私たちは実施2年目の伏見中学校へ伺いました。校長先生は当初アレルギー対応や配膳方法等でもめたけれど、実施する中で工夫し、今は大変スムーズになっているとのことでした。
奈良市では21校中未実施の16校について、平成25年度モデル実施2校から始め、4期に分け、毎年3〜5校ずつ自校で調理委託方式で実施しています。
平成23年度に、〈導入検討委員会〉を設置し、センター方式か自校調理か等様々な見地で検討。費用的には、自校方式の方が安くできる。センタ—方式の2校(山間部で実施)では、調理員さんから「こどもからありがとうの言葉を聞けない、私ら出前と同じです」という声があったとのこと。学校敷地内に調理場が可能か等検討の末、自校調理方式で実施する事に決めたとの事でした。
学校現場から、実施するなら栄養士の配置を望む意見が強く寄せられ、1校に1名、市単独も含め配置されているそうです。始めるにあたり、学校側から、手洗い場が少ない事から、要望して手洗い場を増やしてもらったとのこと。現場の意見を反映しながら推進している姿勢を強く感じました。
生徒さんの配膳している様子、食事の様子もみせていただきました。生徒さんがとても落ちついていて、礼儀正しく、楽しそうに食事をしていました。
栄養士さんから、アレルギー除去食はきめ細かな配慮をされているお話もお聞きしました。
次は兵庫県西宮市の特定非営利活動法人「つどい場さくらちゃん」を訪問しました。理事長の「まるちゃん」こと丸尾多重子さんは熱く語ります。「ここはいろいろな立場の人が,立場を超えてまじくって集まれる場所です」と。ご飯をみんなで食べながら、介護する家族の大変さ、悩み等を受け止める。そして情報を得られる。介護する家族が元気になる事が大切と。ここには、介護者と認知症のご本人のことをいつでもいらっしゃいと門戸をあけておられます。訪問看護師、介護職の方を始め、行政の方々や社協の方なども立寄り、ご飯を食べ,情報交換をする。おおきな支えは、在宅医療を担っているお医者さんとの連携です。
行政の方が立ち寄る中で、こうした「つどい場」の必要性を分かってくれ、西宮市では12カ所に広がっているとのことでした。
報道特集で放映された99歳の認知症のお母さんを看取られた女性からお話を聞かせていただきました。その方は「ここで本当に救われました。悩みを共感してくれる人がいる事で救われました。ここに3年間通いました。そして最後、ここにいていいよ、おいでとマルちゃんが言ってくれて、母の生命にむきあうのがきつい私をまるちゃん、主治医の長尾先生、看護師さんが支えてくれ,ここで見送る事が出来ました」と話してくださいました。
その方は言いました。「お母さんにとって、なにが一番いいんだろうと考えてきた。そして、生きる質を考えてきた」とのこと。自分に引きつけ考えさせられました。
「制度には必ずもれるところがある。もれるところをサポートする必要がある」「制度に縛られていないから自由にできる」の丸尾さんの言葉に本当にその通りと思います。残念だけど介護保険の制度だけでは、「本人にとってなにが一番いいんだろう。生きる質を考える」ことまで探求できない現実があると、いろいろ考えさせられました。