議会活動報告

岡山市の学校図書館司書事業と公民館事業について学んできました

2015年10月29日

視察二日目は、岡山市です。

市役所で教育委員会の方々から岡山市の学校図書館における司書の配置や、その役割をお聞きし、大変共鳴をうけました。

岡山市は小中高の130校全ての学校に司書を配置しています。しかも年次計画をへて平成元年からです。130人のうち、正規職員司書は38人,嘱託司書は91人とのことです。

そして学校司書は、学習指導要領を熟知し、この授業には学校図書館にどんな資料が必要なのかを学び、情報交換している、まさに教育の一環としての役割を果たしているということ、このこともすごいと思いました。

学校図書館の役割の根拠となる「児童生徒の読書に関する調査研究協力者会議報告」として「学校図書館は、子どもの主体的学習を支える場として、いわゆる学習センターという機能を効果的に発揮して行くことが極めて重要である。また、社会の情報化が進展する中で情報を収集・選択・活用する能力を育成することが重要になっており、学校図書館のもついわゆる情報センターとしての機能を充実することも必要である」

また「こどもにとって学校における心のオアシスとなり、日々の生活のなかで子どもがくつろぎ、進んで読書を楽しむ為に訪れるような読書活動の拠点となることが望まれる」

これは、文科省の小学校学習指導要領の総則や文部省初等中等教育局長通知に則っていることの説明をしていただきました。

学校司書の主な職務の第1は、「児童・生徒・教職員へのサービスであり、利用者の資料要求を知り、あるいは資料要求を引き出し、資料を提供する」とのこと。ここですごいと思ったのは同学年の授業内容が重なる時には、学校内の資料の関係から、学級によって時期をずらす等の調整も教職員と相談のうえ行なうこともあるとのこと、職員室に学校司書の机をおいていることも、まさに教育の一環として、明確に位置づけしているからと思います。教職員の資料要求を知り、相談にも乗り、教員の指導力をも引き出してくれることにもなるとのことです。

これは教員にだけでなく、児童生徒にも同じような役割を果たしているというのです。こうした取組は本当に目からうろこでした。子どもの成長にとって、岡山市の学校図書館の取組は、おおきな役割を果たすと思いました。

川崎市の取組とのおおきな違いは、歴然です。なんとか生かさなくてはと思いました。

午後は公民館事業の視察で中央公民館に行きました

公民館は、社会教育法第20条、22条で位置づけられ、戦後、地域の人々が学び、集うことによって、平和で民主的な社会を築いていく為に、昭和21年から全国の市町村に設置され,岡山市では振興計画のもと昭和26年から中学校区に1カ所増やしてきた。住民の活動をただ待っているのでなく地域と一緒に活動していく為に公民館があると住民から公民館に期待が寄せられるようになってきたとのことです。

公民館事業を、「共生のまちづくりの拠点」となることをめざし、集いの場、学びの場、生涯活躍の場として、また地域福祉やボランティアの拠点、NPO等への支援や連携の場として位置づけています。この機能を果たす為に職員がいると中央公民館の館長さんと社会教育主事の方は言われました。中央公民館1館のほか地区公民館が36館,分館が23館もあり、地域にはりめぐらされるように本当にたくさんあるのが驚きました。

地区公民館には館長、事業担当職員として正規の社会教育主事1人と嘱託1人、夜間9時までの事務職宅職員、地域担当職員が配置されています。

事業は7重点分野として,高齢者の仲間づくりと学習機会の提供、子育て青少年の健全育成、男女共同参画の推進、健康づくりの支援安心安全ネットワークの活動との連携、環境意識の高揚、共生のまちづくりをあげ、市の共通の課題としてみんなで事業化していこうととりくんでいるとのことです。

昨年度は、公民館主催の講座が1,127講座、延べ28万人参加、クラブ講座が2,482講座、延べ54万人参加とのことです。人口が約71,4万人ですから、いかに住民のみなさんの参画が多いと言うことがうかがわれます。

公民館事業は学校図書館事業と共に、岡山市の教育委員会の誇るもう1つの事業ですと教育委員会の方がいうことがわかります。