財務省は、全国の公立小中学校の教職員定数を、2024年度までの9年間に、原則として約3万7千人削減するよう文部科学省に求める方針を固めたと報じられました。
いじめ問題等に対応して政策的に上乗せしている人員枠も例外扱いせず、少子化で児童・生徒数が減る事を反映させる考え方のようですが、とんでもありません。昨年も財務省は「35人学級は効果がない。来年から40人学級に戻せ」と言い出しましたが、さすがに文科省が反論し、今年の削減方針にも、中教審がすぐに反論しました。
長年の運動があるなか、やっと2011年から小学校1年生が35人学級に基準が改正され、2012年に予算上の措置のみで小学校2年生に広がりました。超党派の国会決議で、計画的に35人学級を拡大していくとしたはずでした。
しかし、その直後にうまれた安倍政権が、それ以上の学年への35人学級への拡大を止めてしまい、ついに、財務省が「40人学級にもどせ」といいだしたのです。そして今年も削減を文科省に求める方針を固めたというのです。
川崎では
少人数の方がこどもを丁寧に見られることは明らかです。川崎でも少人数学級を求める切実な声がPTAからも、市民からも上がっています。議会にも陳情が寄せられています。学校現場では、教育効果が上がることを、実践のなかで明確にしています。こどもたちにゆきとどいた教育を、子どもたちのいじめや不登校対策としても、少人数学級にすることが絶対必要です。
少なくても、児童生徒が減ることを反映させるというのなら、そのときこそ少人数学級の拡大を図るべきです。
教師の多忙化問題も切実です。川崎でも、時間外労働が多く、精神疾患が増えており、毎年60人前後の休職者がでています。文科省の人事行政調査によれば、教職員の精神疾患による病気休職者の割合は0,55%ですが、川崎市の教職員は1%と2倍近くにのぼります。
川崎では、定数内欠員が増え続けています。2010年度189人が2015年度326人にものぼり、欠員を1年任期の臨時任用の教員で補充しています。
退職者もいるのに、275人しか募集せず、採用も284人しかしないというのはどういうことでしょうか。私たちは、毎年、少人数学級を求めた質問を繰り返し、この定数内欠員を解消すべきことも求めてきました。
ひどい教育長の答弁
10月議会でもとりあげましたが教育長の答弁は、「今後、予測されている児童生徒数の減少期を見据え、将来的に教員の現職定数を超えることのないよう現段階から慎重かつ計画的に職員配置を行なっていく必要がある」と言う答弁だったのです。これって、考え方は財務省と同じではないでしょうか。本気に定数内欠員を減らそうという教育長の決意が感じられません。補充を1年任期の臨任で補っていますが、不登校対策の強化がもとめられる中、非正規の教員にそういう責任や負担をかけていいのでしょうか。
2017年度に政令指定都市への教職員定数等の権限委譲が予定されています。全国的には、山形県を始め、多数の自治体独自で教職員を加配して少人数学級に踏み出しています。
川崎のこどもたちに少人数学級の実現を!そのために予算をもっと教育にまわすべきです。