川崎市の小児医療費助成制度の通院に対し、市長は、今議会の冒頭、来年4月から対象を小学3年生まで、さ来年・2017年4月から小学6年生まで拡充することと引き換えに、小学1年生から、通院1回ごとに、上限500円の一部負担金を導入することを検討していると述べました。
これは無料化ではありません。しかも所得制限はそのままです。
市長の公約は『小学6年生までの無料化をすぐに議会に提案する』でした。
一部負担金の導入はすべきでないこと。所得制限についても、小学2年生までの現在、1万9928人、16,8%が助成を受けられません。小学6年生まで拡充されても、3万4416人,20,6%が助成を受けられません。所得制限も撤廃し、親の所得に関わらず、平等に無料にすべきと代表質問で質しました。
市長は、「恒久的な財源の確保、受益と負担の適正化、医療機関への『適正受診』等の観点から一部負担金の導入を検討している。所得制限も制度の安定的な運営の為に引続き設けることが必要と考える」と答弁しました。
「適正受診」とは、窓口負担を無料にした場合、必要ないのに医者に行く人が増える、つまり頻回受診がおこるので、一部負担金を導入するということです。しかし、感染症やウイルス等が心配で、必要以上に子どもを病院に連れて行く人はいません。ましてや共働きの家庭では、病院に連れて行く時間の確保も大変な時もあり、とても必要以上に行きません。そんな実例があるのか?と質問し、病気がひどくならないうちに医者に行ける環境をつくることこそ、重症化を防ぎ、医療費の増大を防ぐことになると主張し、一部負担金の撤回を求めました。
市長は、『コンビニ受診や小児科医師の疲弊を防止するため、一部負担金を導入した自治体もある。特に小児救急医療においては、医師不足のなかで、軽症患者が時間外や休日に救急病院等に受診することにより、重症患者の受入れが出来なくなる等の問題があることから、年齢拡充とあわせて一部負担金を検討する必要がある』と,あたかも、完全に無料にすると、コンビニ受診や、軽症でも救急病院に行く人が増えるから、一部負担金をとるというひどい答弁を重ねました。
そもそも、小児医療費助成制度を『子育ての不安を解消し、安心してこどもを産み育てることが出来る環境をつくる上で、大変重要な子育て施策』と位置づけて,助成対象年齢を拡充するのに、受診する患者が増えること、コンビニ受診が増えることや小児科医師の疲弊を心配し、受診を抑える目的で一部負担金を導入するというのは、拡充する目的と理念が矛盾するではないかと再々質問しました。
市長は、結局、「6年生までの拡大に当たり、恒久的な支出が伴うことから、一定の負担を求める検討をしている。今後市民や議会の意見をいただきながら、財政状況や受益と負担の適正化、適正受診等の観点を踏まえ検討を進める」と答弁しました。
本市の財政状況は、財政力指数は政令市でトップ、健全度1位です。しかも他の多くの自治体で、中学卒業まで所得制限なしで実施しています。川崎で、やれないわけはありません。小学6年生まで、所得制限なしで実施を!そして他の自治体のように中学卒業までの助成制度を引続き求めてまいります。