市は、来年度から地域包括ケアシステムを行なう為に、保健福祉センターを大きく再編する計画を示しました。以下、代表質問でとりあげた内容ですが、長くなるので、2回にわたり報告します。まず、健康福祉局関係の質問です。
地域包括ケアシステムは、2014年のいわゆる「医療・介護総合確保法」の改定において、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自立した生活ができるよう医療と介護、介護予防、日常生活支援などが包括的に確保される体制をつくるという、高齢者を対象としたものでした。ところが川崎市は、その対象を高齢者や障がい者、こどもをはじめすべての地域住民とするとし、自助、共助、公助に、新たに、自助の次に「互助」=地域住民が互いに助け合うという考え方を示しました。
保健福祉センターには「高齢・障害課」「児童家庭課」「地域保健福祉課」「子ども支援室」などがあり、児童福祉法、介護保険法、障害者総合支援法などの法令にもとづき専門職種が配置されていますが、その枠組みを外し、「総合調整機能」「地域支援機能」「専門的機能」に再編し、(仮称)地域安心見守りセンターにするというのです。
「子ども、障がい者、高齢者を一体的に」「すべての地域住民」に拡大することで事業展開が不鮮明になり、それぞれの課で積み上げてきた専門性の継続と連携をどのように図るのか。それぞれ配置されていた専門職種が統合されることにより、よもや減らされるようなことがあってはならず、逆に人員増がなければ機能の推進は出来ません。地域ケアシステムの構築の為の増員する部署、職種、人員を示すべき等を質問しました。
健康福祉局長は、『地域支援機能』は,中学校区単位あたりを1つの地区エリアとし、1地区あたり二人程度の保健師を「地区担当」として配置。保健師が、積極的に地域に出向き個々のニーズに対応し,支援が必要とする人には、社会福祉職や心理職、栄養士、歯科衛生士等の専門多職種と連携を図り、相談支援を行なうという答弁です。具体的な地区担当のエリアは地域の実情に応じて区が設定しますが、3〜4の地区を1つのブロックとして全市で40〜50程度の地区数になる。地域ケアシステムを推進するには、人員体制と専門性を確保することが必要なので,組織が効果的・機能的に発揮できるよう、関係部署と調整をはかってまいる。と答弁しました。
「総合調整機能」も「地域支援機能」も地域づくり、人づくりという役割をもつことが示されています。『互助』の部分をつくる仕事です。その為に、民生委員、児童委員さんや、社会福祉協議会等との連携を図り、地域を見守り、支援する機能を育てるということです。今でも民生委員さんが足りず、仕事が次々増やされているなかで、さらに担う役割が増えるということですが、既に話し合いされていると思いますが大丈夫でしょうか。
この中心になるのが『保健師』です。保健師職をどう確保するのか。確保する為に、児童家庭課の保健師も地区担当にあてるという計画です。このことについては(その2)で報告します。