3月14日、健康福祉委員会で、「年金削減を取りやめ、マクロ経済スライドの廃止、最低保証年金制度を求める請願」の審議がありました。全日本年金者組合川崎支部協議会からの請願です。
今、高齢者を取り巻く状況は、介護保険料や医療費の値上げ、消費税率の引上げによる物価高、公共料金の値上げなどで、生活が大変厳しくなっています。一方年金は、この間、物価が下がっても年金を下げなかったことによる「物価スライド特例水準」を廃止し、その分の調整として、消費税を増税した2014年も含め、2013年から3年間で年金受給額を2.5%連続して年金を引き下げました。
マクロ経済スライドはその時々の現役人口の減少や平均寿命の伸びにあわせて年金の給付水準を自動的に調整する仕組みです。
2015年度4月の物価・賃金スライドは2.3%上昇しましたが、マクロ経済スライドの調整率0.9%を引くので、年金受給は1.4%あがるのみとなります。
さらに政府は今国会にマクロ経済スライドに「キャリーオーバー制度」を導入する年金法案を提出しようとしています。小池参議院議員がちょうど質問でとりあげ、しんぶん赤旗にのっていたのでタイミング良く、質疑でとりあげ、調整率の残りがある場合に残り分を翌年に持ち越すという制度で、物価・賃金があがっても、下がってもいずれにしても年金は下がり続ける仕組みだと強調しました。行政も、翌年分に持ち越す仕組みであることは「そのとおりです」と答えました。
これまで社会を支えてきた高齢者の年金を減らし続ける「マクロ経済スライド」を廃止することが必要です。また、憲法25条に則り、最低保障年金制度を確立することが必要と考えることから、請願を採択すべきと考えると言いました。
他会派から「持続可能な制度の為にマクロ経済スライドは必要と考える」「社会保障全体の中で考える必要がある」「保険料を納めてこそ、受給権が生じる権利がうまれることから、最低年金保障制度は必要ない」等の発言があり、共産党の二人が採択を主張し、他は不採択で、賛成少数で不採択でした、残念です。