ここは大きなお家。こどもたちがいつでも「ただいま」と帰って来られる場所として、子どもによりそい、支える活動をされているキートスを訪問し代表の白旗さんからお話を伺いました。
大切な思春期に家庭の事情等で行き場のないこどもたちがいます。不登校のお子さん、生活困難、精神や知的障害のあるおこさんなどが、大勢のボランティアさんたち、そして利用者の方々が混在し、大きい子がいて小さい子がいる。母性のお母さん、父性のお父さんの役割をボランティウアの方々が果たし、いろいろな大人に関わってもらっているとのことです。大きな家庭のような居場所となっています。原点は「家」ですと白旗さんは言われます。お膳のお箸の置き方、ご飯の置き方等、家庭で身に付くこともここで自然と覚えること、家庭の役割を果たすことも大切にしていますとのことです。
現在のしくみは18歳以上になると支援がとぎれてしまいます。白旗さんは、調布市の中高生の居場所「CAPS」で相談員をしていましたが、満18歳で卒業する子どもたちの中には、虐待を受けていたり食事をとれていなかったり、不登校の子どもたちがいて「この子は明日からどこに帰るのだろう」と危機感を抱き、平成22年にキートスを設立したそうです。白旗さんは、こどもの気づきを待ってあげること。時にはどうかなと心配のこともあるけど、その子を信頼して「懸ける」こともある。その子の成長の為には「懸け」てあげることが必要ですといわれました。すごい愛情と思いました。こうやって子どもたちと信頼を築いているんだと、お話を聞いていて思いました。
不登校の子どもの為に、教科書があり、専門家の方が1対1で。「教える」のでなく、寄添って、意欲を大切にして学習支援を行なっているとのことです。障害のあるひとには、ここが居場所として、専門機関とも連携をとっておられるとのことです。
ここでは食事を提供したり、24時間の電話での相談も受けたりしていますが、行政からの委託等をうけると、こうしたことの縛りがかかり、できないこともある。また、詳細な報告を提出しなければならなくなるので、ここ3年前から年180万円の補助金を頂けることになったので感謝しているとのことでした。「行政との連携は大事と考えているけど、行政の委託は受けない」と。これは昨年、高齢者の「まじわる介護」をされている「つどい場さくらちゃん」の丸尾さんが、まさに言っておられました。こうしたNPO法人の方々が、行政の事業の「すきま」をうめる役割をになっているのです。
マスコミにとりあげていただき、ボランティア希望のかた、寄付をしてくれる方、食べ物等ものを送ってくれる方がとても増え、支えられていますとのこと。
昼と夜の食事を無料で提供し、みんなで食事をすること。食材はほとんど全国からの寄付や地元の農家等からの提供で賄い、買うのは お肉くらいとのことです。
調布市の子ども家庭センターや教育委員会から12歳以上のこどもが紹介されてくるそうですが、そして、30歳くらいまで。中には、仕事が終わってから、毎日のように「ただいま」と立ち寄る方もいるとのこと。「たいしたことをしていないんですよ」とごく自然に白旗さんはいわれますが、本当にすごいと思いました。こどもとの信頼にうらづけられ、それが白旗さんの喜びになっているんだとなと思い、帰り際にそのことを話すとそう思っていただきうれしいですということばが帰ってきました。