福祉は「人」です。川崎市は、人口が増え続け、子どもや高齢者などの相談件数が増加、内容も多様化していますが、対応する専門職種が足りずマンパワー不足が課題と考え、この間、議会で質問を繰り返してきた問題で、新年度予算化すると答弁があったことについて、具体的な内容を調査しましたので、報告します。
◆ 児童相談所に社会福祉職が増員されます
市内3カ所の児童相談所への児童虐待・通告件数は、2014年度1,792件で過去最高、内容も複雑多様化しています。一方、児童相談所の地区担当ケースワーカー1人の担当児童は2012年度82人、14年度99人、15年度118人と増え続けている事から、繰り返し専門職種の増員を求め,3月議会でも質問し『体制の充実を図る』と答弁がありました。
2016年度予算で以下の職種が増員されることになりました。
○ こども家庭センターに社会福祉職;3名増員
○ 中部児童相談所に社会福祉職;1名増員
○ 北部児童相談所に社会福祉職;1名、心理職;1名増員
◆ 「DV被害に関わる総合相談窓口」が5月に設置されました
配偶者暴力被害の相談は増加傾向にあり、「DV防止法」の改正で、市町村は「DV相談支援センター」の設置に努めるとされ、横浜市、相模原市は既に設置し、横浜市では月曜から金曜まで9時半から20時まで開設していますが、川崎市は未設置でした。夜間,休日含むDV相談支援センターの設置を3月議会でも求め質問しました。
○ 新年度789万円の予算が計上され,総合相談窓口が開設されましたが、非常勤の相談員2名体制で受付は16時半まで。私は夜間の開設も求めました。 【配偶者暴力被害の総合相談窓口】044−200−0845
◆ 地域包括支援センターに1名増員されます
地域の高齢者とその家族の身近な相談窓口として、介護予防の支援や地域のネットワークづくり等の機能を果たす「地域包括支援センター」は全市49カ所、社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師等が配置されています。
高齢者人口の増加と担う役割が増えていることから人員増をこの間求めてきました。
3月議会の代表質問では、特に新年度から要支援1,2の人への総合事業が始まると共に、地域包括ケアシステムにおける区役所の地域見守り支援センタ–や関係機関とのネットワークの強化等、になう業務が明らかに増大するもとで、専門職の増員を強く求めました。
○ 新年度、非常勤の社会福祉職等が1名ずつ増員される予算がつきました。
◆ 介護事業所に「必要、適切な助言指導」が出来る指導監査体制の充実・強化を
昨年12月議会で、私は、2186カ所ある介護事業所への川崎市の指導監査のありかたについて、「厚労省の指導・監査の指針は、必要適切な助言指導に努めることが重要」と述べているが、その体制がとれていないと実態を指摘し、監査担当の人員増と体制の充実・強化を求めました。
以下の報告が、3月健康福祉委員会にありました。
○ 新年度,新たに担当課長を配置、係員1名、非常勤2名を増員し、実地指導件数を増やす。
○ 集団指導講習会を従前の年2回から3回へ,介護保険の改定年度の直前に、もう1回行なうとし、業種別、訪問系、入所系の施設別に行うことも検討する。1回あたりの時間を増やすなど,参加率と内容をよくしたい。
精神科救急医療の充実へ・・実態調査を行なうと答弁
精神障がいのある方が精神科以外の疾患で救急車を呼ぶ「他科救急」で受入れを断られるケースが多い問題で、この間、共産党市議団と私は家族やグループホームの支援員さんの要望を繰返し質問し、解決策を要求してきました。
3月議会では、代表質問でとりあげました
○健康福祉局長は、消防局や救急医療機関と連携した実態調査を実施し、次期の地域医療計画に反映させると答弁しました。この答弁は初めてです。引続き取組んでいきます。