熊本県庁で、熊本地震の発生直後から陣頭指揮を執られた危機管理防災企画監からレクチャーをうけました。良かった点と改善を要する点など具体的にリアルにお話ししてくださいました。
〈改善を要する点として〉
①事前の訓練が2つ必要と述べられました。発災後に必要となる行政事務の訓練として、1つは、罹災証明書の書き方の訓練をしておくことが必要ですと。家をどうやって点検するのか.他県からの行政支援のやり方がちがうので、これは市だけでなく、県として統一しているもので訓練をしておくこと。
もうひとつは、対策本部を実践的に運営する訓練をしておくこと。
②支援物資は、セット、パック、リュック方式で。例えば水が大量に単品でどさっとくる。しかし倉庫がつぶれていたり、運ぶ人もいないことが起るので、リュックにセットでパック方式で支援物資を用意すること。リュックに、老若男女のパンツ、水、食料、生理用品、ミルクなど女性やこどもの目線で用意する。南阿蘇町の職員40人のうち37人が避難所に派遣されていて、支援物資を運ぶ人がいなくて大変だったとのことです。そして避難所に直接配布することによって、倉庫や職員不足に対応できるといいます。
③避難所を学校や公民館だけでなく,住民目線でつくることが必要とのことです。自治会、自主防災単位で避難所をつくれば、そこに物資を持っていけば、自治会長や、町会長が避難者が何名で、どういう人がいるか分かる。自治会長が避難所のリーダーの役割を果たすことが出来る。広域的な避難所ではなかなかリーダーシップがとりにくいから職員の手がとられる。避難者自らが運営しなければだめで、こどもや女性の目線にいかに対応出来るか、そこにしっかり目線を向けられるかどうかにかかるといわれました。
その後、議会棟で共産党の熊本県議と熊本市議からお話とスライドをみせていただき、そのあとバスに乗り込み、熊本市議の方に地盤が陥没したマンションを案内していただきました。住民の半数の方がどこかに避難され,連絡がとれなくて修繕の方法や費用などのことが相談出来なくて困っておられるとのことでした。
〈益城町の震源地近くに〉
そのあとは再び益城町へ。途中からどしゃぶりの雨が降り、傘をさしながら現地の共産党の支部の方の案内で倒壊家屋が多数そのまま残っている町の中を歩きました。震源地の場所にも行きました。本当に目を覆うばかりの惨状です。所々で、解体等が行なわれていましたが、それはわずかです。圧倒的には倒壊のままです。土のうが置かれているところが本来の高さですと言われましたが、信じられない陥没、沈没状態です.人々の日常をすっかり奪い取り、財産と命まで奪った自然災害。自然災害が起きることは防ぐことが出来ないけれど、防災対策をしっかりとることで減災にすることはできる。そして、被災者の立場に立って、政府は復旧復興の支援に全力を挙げるべきと思います。
今回、現地の共産党の県委員会、地区委員会の方、支部の方が現地を案内してくださいました。地域や仮設住宅を訪問して困っていること等を聞き取り、行政への要請活動も行っているとのことです.案内してくれた方は、自分の家も全壊です。と言われていましたが,倒壊した家屋の前で、「このうちの方は地震後訪問したときこういっていました」等話してくださいました。頭が下がる思いです。
学んだことを川崎市にいかすよう取組みたいと思います。