京浜山科駅から徒歩で数分の住宅街にある「山科醍醐こどものひろば」に伺い9時から11時ころまで理事長の村井琢哉さんからお話を伺い質問に答えていただきました。
36年前にこどもと親の文化活動のために設立した「親子劇場」が母体です。生活基盤に文化をプラスする空間をつくろうと取組んだ。1995年阪神淡路大震災が起り、1999年に小学生の殺害事件が起り、一番安全な学校がねらわれたことから、外でこどもが遊ばなくなるなか、こどもが安心して遊べるスペースをつくろう.地域のこどもたち全てに0歳から出来る活動づくりをどうするのかと、考え取組んできた。集団活動になじめないこどもには個別で支え、マンツーマンの活動づくりを大切にしている.
「ここは!この人は!守ってくれる」関係性をつくる
生活や家庭環境に困難を抱えているこどもや人とのコミュニケーションがとれないこどものために、「ここは、この人は、守ってくれる」という居場所感をつくることが必要。親を独占出来る時間が家庭であるように、そうしたことができないこどもに、ここは、サポーターを独占しながら話をしたり、食事したり、ぐちったりする。大学生のスタッフも就活の大変さをしゃべったり、マンツーマンの信頼関係をつくる。非効率だけど、完全にその子のために時間をつくる。他の子には当たり前にあることを、ここでつくることを大切にしているとの話に、本当にすごいと思いました。
以下、村井理事長が語った子ども感と居場所づくりへの思いです。
*「親のしつけのせいにしても、こどもの未来はつくれない」
*「競争社会における価値で、物事や人を評価するのでなく、こどもがつらいと思った時に、つらいと言えないこどもが、つらいと言える場所をつくる.日常を支えることが大切で、それは専門家でなくていい」
* 「こどもには、例えば、60点取る子(人)にマイナス40点の評価なのか、それとも、60点できたよね.という言葉掛けをするのか。これを村井さんは「引算と足し算のことばかけ」と言っていました。言葉を編み出しながら、大切にしていることをいかに表現するか、まさに村井語録ですね。共感しながら必死に書きとめました。
公共機関や地域との連携とネットワークを広げ、こどもの創作劇、町たんけん、Jrキャンプ、遊びのアウトリーチ事業など、たくさんの事業を展開しています。
こどもに寄添うことに徹底している姿勢にすばらしいと思いました。
午後1番は
【京都市役所で、高校奨学金制度と京都市議会の議会災害対策】のレクをうけました。
京都市の高校奨学金制度は、川崎市と比べ進んでいる点は、対象者として「学習状態が良好である」ことをあげていますが、これは、「留年していないこと」だけが条件とのこと。川崎市とえらい違いです。川崎市は成績が「3.5以上」という基準を設けています.しかも、予算の枠内で施行するため、実際は昨年度は「3.8〜3.9」という成績基準となったということでした。さらに京都市は申請が多くて予算が足りなくなった場合には、補正予算を組むなどして、対応しているとのことです。生活困難な家庭への経済的支援として川崎市もそうでなくては!と強く思います。
京都市議会の大規模災害対応指針の説明を受けました。大規模な災害が起きた時に、議会及び議員がどのように対応するのか川崎市議会でも検討されてきましたが京都市の対応指針とおおきな差異はないと思いました。
【共産党京都市議団と懇談しました】
京都市のこども支援策や総合事業などの情報交換を約1時間程行ないました。京都市はこどもの貧困家庭の実態を把握するための実態調査を8月に実施したとのことで資料を頂いてきました。その他、京都市の総合事業の取組みや高校奨学金などお互いの情報交換をしました。
【大津市の「しらゆりこども食堂」】を訪問させていただきました。
電車で移動し滋賀県へ、18時少し前に到着しました。女性の歯科医院の院長先生が毎週火曜日にこども食堂を開いています。山元院長先生は、こども食堂を開設する前にケアマネージャーと2級ヘルパーの資格を取って、同じビルで通所介護施設を開業し、先生の担当は音楽療法とタッチセラピーとのこと。さらに昨年末よりデイサービスの空き時間を利用して【こども食堂】を始めたとのことです。親の帰りを待つこどもの居場所であったり、しんどさを抱えるこどもを食を通して支援していこうというこども食堂の取組を、新聞で知ったのがきっかけで始められたとのことです。
私たちが訪問した時は、お子さんは、3人程でしたが学童保育を終わったこどもたちが次々帰ってきて、先生は、一人一人に、この日の献立であるおいしいシチューとパンをよそって上げています。こどもたちは、まるテーブルを囲み、おいしそうに、うれしそうに友達と会話しながら食べていました。
先生は今、福祉の専門的な知識を得たいと思って、日本福祉大学通信制に入学され、月2日はスクーリニングにも参加し、生きづらさをかかえる人を支援するソーシャルワーカーをめざしているとのことです。どこにそのようなエネルギーが隠されているのかと思う程、先生はごくごく静かな立ち居振る舞いで、シチューをよそったり、こどもに静かにやさしく接しています。私たちにもおいしいシチューを振る舞ってくださいました。本当においしかったです。
開設時間は下校時刻から19時まで、定員は15名、18歳未満まで、参加費はこどもは0円、おとなは600円です。対象は興味関心のあるこどもです。
スタッフの方も2人お手伝いをしていました。滋賀県はこうしたこども食堂等の活動を社会福祉協議会が行なっています。3日目は滋賀県庁と県社会福祉協議会から取組のレクチャーを受けます。
お忙しい時間なのに対応していただきました。19時頃、しらゆりこども食堂を後にしました。視察2日目も切れ目なくびっしりの日程でした。