4月1日現在の保育所待機児童について考えるーその1
今年4月の川崎市の保育所待機児童はゼロとなったと市は発表しました。しかし、表で示す通り、(A)認可保育園の入所申請をだした29,890人のうち、(B)入所出来たのは26,999人、(C)入所出来なかった保留児は2,891人いました。
しかし、市は、待機児童はゼロと発表しました。2,891人から川崎認定保育園、お仲間保育室など認可外に入所した方、産休・育休中のかた、求職活動を休止している方等は、待機児童に含まないとして引算されるからです。
毎年、このシーズンになるとブログでも書いているのですが、国が待機児童の「定義」を示し、川崎市はその定義通りに算定しているから『ゼロ』となるのです。でもこの「定義」の考え方について、各自治体の裁量は認められています。私たちは政令市比較の調査も行って、その違いも確かめて矛盾を指摘してきしてきました。
育児休業中の保護者の方が、復帰のために入所申請しても入れなかった場合は復帰出来ません。待機状態です。入所出来なかったために認可外の保育所に預けた人たちの多くが次の年に認可保育園に申請します。また、入所出来なかったために、やむなく、勤務日数を減らして一時保育に預けた人など、待機の状況を具体的に示し、入所申請して入れなかった人数を待機児童とすべきと繰り返し主張してきました。
近年やっとマスコミから『隠れ待機児童』「潜在待機児童」と報道されるようになり、矛盾が明らかになってきて、入れなかったママさんたちが、声を上げるようになり、運動もおこりました。
こうした切実な当事者のママたちの声に、厚労省は『定義』を見直すと発表し、多少の見直しがされました.しかし、自治体への通知は実質新年度に入ってからで、自治体によっては、旧定義で発表しました。川崎市も文教委員会の報告で、間に合わなかったといいました。
保育所のニーズは増加の一途で、就学前児童数の36,5%が保育所に入所申請しました。2012年が25,7%でしたから、この5年間で1割余も増えたことになります。そして、入所申請した人のうち約1割が入所出来ず、この割合は政令市の中で、ワースト1で、実数ではワースト2位という状況です。
長くなるので何回かに分けて報告します。