来年度の予算要望書作製に向けて議論、検討する団合宿が、8月14日から16日まで、今年も強行日程で終わりました。各分野を分担して書き上げた要望書案を読み合わせ、議員、政務活動員全員で議論します。今後、それぞれ書き直し、最後成文化して、市長に提出します。
私は「子育て支援策の充実で安心して子育て出来る川崎を」と「一人ひとりの子どもたちが大切にされ、すべての子どもたちの成長・発達を支える教育の実現のために」は片柳議員と分担しました。
子育て支援策は、安心して出産できる環境の整備、出産後の母子支援の充実、地域子育て支援センターの充実、小児医療費助成の所得制限撤廃と中3までの拡充を、ゆたかな幼児教育を保障するために、保育事業の充実を図る、児童虐待問題、放課後対策、子どもの貧困問題と居場所づくりなど、9項目にわたります。
書くにあたっては、昨年度要望した項目について現状と到達点などの調査を行なうので、相当の日数、時間を要しました。調査した点や課題の概要を報告します。
〈安心して出産できる環境を整備する〉
2016年度の市内の出生数は14,158人で、15年度より857人減りました。市内の分娩取扱医療機関は、病院は前年より2カ所減り10カ所に、診療所は1カ所減り7カ所に、助産所は6カ所で計23カ所です。3カ所も減ってとても気にかかります。病院での分娩は6,339人、診療所では3,541人、助産所では280人でした。神奈川県の「産科医療及び分娩に関する調査」結果によると医師数は26.15人、助産師21.55人不足となっています。医師と助産師の確保対策の取組み、安心して出産出来る環境整備が必要です。
ハイリスク出産を防ぐため妊婦健診をだれでも安心して受けられるよう、1人あたり8万9千円、14回まで助成されていますが、健診内容によっては自己負担が数千円に及ぶ場合がある事から全額無料にするための助成の拡大が求められています。
妊婦の救急搬送について、現場滞在時間が30分以上かかった割合が、川崎は08年に17.2%、政令市中ワースト1位で、この時は川崎に周産期医療センターが必要と大議論をした記憶があります。2010年に聖マリアンナ医科大学病院に、総合周産期母子医療センターを開設、2011年から市立川崎病院、聖マリアンナ医科大学病院、日医大武蔵小杉病院の有するNICUは計24床、GCUは計54床となり、2015年は6.8%と大きく減少しましたが、2016年の妊婦救急搬送は202件、そのうち現場滞在時間30分以上は20件となり9.9%と増加しました。市の「地域保健医療計画」からするとNICUは30床必要としており、あと6床整備の必要があります。
2016年度中のNICUの入院延べ患者数と稼働率は市立川崎病院は1,922人、87.8%、聖マリアンナ医科大学病院は4,240人、96.8%、日医大武蔵小杉病院は2,150人98.2%でほぼ満床に近い状況です。ハイリスク妊婦の救急体制や母子の救命体制の充実強化、地域の産科医療機関などの後方支援体制の強化で安心して出産ができる体制整備が引続き求められています。
市立川崎病院に2013年3月より助産師外来が開設され、医師が経過良好と判断した妊婦の健診を助産師が実施。妊娠、出産、育児に対する不安や様々なニーズに対しきめ細かな対応を図っており、妊婦へのアンケートでも高い評価を得ているとの事です。2016年度は前年より増えて359件だったとの事です。助産師の確保が課題となっているとのことです。
こうした実態をもとに要望を9項目具体化しました。助産師会から要望のあった「川崎市立短期大学を4年生大学へ移行するとともに、助産師学科を新設し、看護師の確保とともに助産師を養成、確保する」を新しくいれました。