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出産後の母子支援を充実し、安心して乳児期の子育てができるサポート体制を充実する 【来年度の予算要望に向けて】その2

2017年8月27日

来年度の予算要望にむけて、私たちは第1章で「子育て支援策の充実で安心して子育て出来る川崎を」とし、その中で9項目を設定しています。今回は、2つ目の項目について、調査した点や課題の概要を報告します。

出産後の母子支援を充実し
安心して乳児期の子育てができるサポート体制を充実する〉

産後ケア事業の充実
出産後は、出産による体力の消耗、急激な体の変化、頻回授乳、慣れない育児への不安と、母親の心身に大きな負担がかかります。核家族化や入院日数が短くなり、産後の母子支援を行なう産後ケア事業は大変重要です。私たちは、世田谷区の産後ケア事子育て3業を視察し、必要性を議会で繰返しとりあげてきましたが、2014年10月から川崎市でも実施、市が助産師会に委託しています。

現在、宿泊による産後ケアは6カ所で、訪問による支援は17カ所で行なっています。宿泊型の希望は多く2016年度は154件と前年を上回る利用がありました。訪問型の利用は233件でした。今後もさらに利用の増加が見込まれます.育児不安を早期に解消する事は児童虐待を未然に防止する上でも必要です。

ただ、自己負担額が高いという問題があります。宿泊型は1日9000円(1泊2日は18,000円)、訪問型は5000円です。横浜市は1泊2日は6000円で通所型は1日2000円との事です。支援内容が異なるのか、調査する必要がありますが、必要とする母子が利用料を心配することがなく、支援が受けられるようにするために、横浜市並みに低額に設定する事が必要と思います。

産婦健診の実施を
厚生労働省が産後うつ予防や新生児への虐待予防のために、2017年度予算で出産後、間もない時期の産婦健診を2回分計上しました。実施に当たっては、母体の身体的機能の回復や授乳状況、精神状態の把握に努める事、産婦検診の結果が実施期間から市町村へ速やかに報告される体制を整備する事、支援が必要と判断される産婦には産後ケア事業を実施するという要件が盛込まれているといいます。母子保健事業として、横浜市のように速やかに実施し、役割や求められる機能として、助産所も活用可能施設とすることを要望したいと思います。

区役所地域見守りセンターに各区一人の助産師を配置する
区役所保健福祉センターの再編で地域見守り支援センターが創設されましたが、助産師がそれまで各区に一人、計7人配置されていたのに、2区に兼務となり4人に減員され母子保健の後退が心配です.母子手帳の交付の際から、妊娠、出産、産後ケア、新生児ケア、母子保健、家族計画の相談、支援の必要性から、地域サポート担当として、助産師の各区ひとり配置することが強く求められています。

乳児健診について
2016年度から3ヶ月健診が民間医療機関に委託されました.新生児訪問との連携、健診の未受診の把握と従来行なってきた未受診者への訪問が遅くなるのではという心配、それまで健診時に母親の悩みを受け止め育児相談のサポートができたが、委託した事で医療的な相談はできても母乳に伴う相談や家族に関する相談などができているだろうかという心配があります.アンケート等で実態調査や意見を把握する等、検証が必要と思います。直営の健診は1歳半健診と3歳児半健診となったが未受診の把握をしっかり行ない、訪問する.子どもの安全、成長や発達を行政として確認する体制をつくり、気になる親子について関係機関と連携しながら適切な支援を継続して行なう事が必要と思います。