15日(金)、一般質問にたちましたので報告します。
子どもの貧困対策及び地域包括ケアシステムの体制について
【石田・質問】
「川崎市子ども若者生活調査」の分析結果を踏まえて「子どもの貧困対策の基本的な考え方」が取りまとめられました。
「こどもの貧困対策に関わる施策の展開」として、「相談機関等による支援の充実と連携の強化」があげられ、こう書かれています。
「支援者ヒアリング調査では、経済的問題のみならず、多様な生活課題が複雑に絡み合って、生活が困窮している世帯の状況を把握したが、保護者自身が援助希求行動、SOSを発信できないという課題を把握した。このような、公的支援が必要な世帯は少なからず存在している。
地域で孤立することなく、安定した生活を送っていくためには、地域の中でそうした世帯を把握し、地域から、適切な公的支援につなげていくことが必要。そのために個々のこどもや保護者、家庭の状況を的確に見極め、どのような公的支援につないでいくかという専門職種によるアセスメントが必要となる。
本市では、各区役所「地域みまもり支援センター」に、保健師、助産師、社会福祉職、心理職、栄養士,歯科衛生士、保育士、教育関連職員等の多職種の専門職を配置しこれまで培ってきた地域ネットワークの仕組みを活用し、個別支援の取組を推進しています」としています。
①地域みまもり支援センターの地域支援担当における個別支援数について健康福祉局長に、伺います。
子どもへの支援が大変多いと伺いました
・2017年度上半期の全市の地域支援にあたった総数及び母子、高齢、障害、疾患等、成人等など分類別の件数について伺います。
・そのうち、「母子」に計上している対象者についても伺います。
【健康福祉局長答弁】
平成29年上半期における地域支援担当の全市の個別支援数は述べ36,417件で、その内訳として母子25,272件、高齢者642件、障害者等3,489件、生活習慣病等の疾患934件、その他成人に関する内容が6,080件となっております。なお、母子として計上する対象者は、妊産婦、新生児、乳幼児から18歳未満の子どもとその親となっております。
【石田・質問】助産師の役割と配置について子ども未来局長に伺います。
今年度上半期の個別支援総数は述べ36,417件中、母子支援が25,272件とのことです。全体の約7割を母子支援が占めています。対象は、妊産婦、新生児、乳幼児から18歳未満の子どもとその親とのことです。
妊娠期から母子保健の支援と見守りが始まります。この時期に支援が必要な母子を早期に把握し、適切な支援を継続的に行う事は、まさに、生活困窮支援や、乳幼児の虐待を予防する上で非常に重要です。
特に、妊産婦、新生児への専門的な支援を担う専門職種は、助産師です。
冒頭、紹介したように、「子どもの貧困対策に関わる施策の展開」のなかで、子ども未来局が、各区役所地域みまもり支援センターに配置している専門職種に、助産師を入れていますが、
・ 地域みまもりセンターにおける助産師の役割を伺います。
・ 各区に助産師を配置すべきです。伺います。
【子ども未来局長答弁】
助産師は、母子へのケアを中心に女性特有の健康支援における専門職として、地域みまもり支援センターにおいては、多職種協同の中で主に、地区担当保健師と連携して、妊娠・出産等に係る支援において、専門性を発揮しているところでございます。
次に、地域みまもり支援センターにおける助産師の配置につきましては、川崎区には1名を配置し、必要に応じ区役所への支援が可能な体制としているところでございます。
【石田・質問】なぜ、助産師を各区に配置しないのか理由を伺います
2015年度までは保健福祉センターの助産師の定数は各区1名でした。ところが、地域ケアシステムの推進ビジョンを掲げ、その核となる「地域みまもり支援センター」を設置し、地域において個別支援にも力をいれるとしたのに、川崎区以外は2区に一人に削減しました。
答弁でも「母子へのケアを中心に女性特有の健康支援における専門職として、多職種恊働の中で、主に、地区担当保健師と連携して、妊娠・出産等に係る支援において、専門性を発揮している」と答えられています。
この支援はまさにいのちを育くむ営みですから非常に大事です。だから、国が、2014年度に産後ケア事業を創設、今年度、産後うつ予防や新生児への虐待予防のためとして、産婦健診事業を創設するなど、リスクの高い妊産婦について把握し、支援する事業を創設したのではないですか。これらを担うのは主に助産師です。
しかも、個別支援の7割を母子支援が占めているのです。だから「子どもの貧困対策」として、「相談機関等による支援の充実と連携の強化」を図るとして、各区役所「地域みまもり支援センター」に助産師を位置づけたのではないのですか。
・なぜ、2区に1名の配置でよしとするのか。その理由が全くわかりません.その理由を伺います。
【子ども未来局長答弁】
地域みまもり支援センターにおける助産師の配置に付きましては、川崎区以外は2区に1名となっておりますが、さまざまな資格を持った多職種が協同し、相互補完を図りながら総合的に相談支援を実施しているところでございます。また、本庁にも1名を確保し、必要に応じ区役所への支援が可能な体制としているところです。
助産師を含めた専門職種の全体的な配置につきましては、引続き、関係局と検討してまいりたいと考えております。
【石田・要望と質問】関係局と検討するとの事です。各区1名配置を強く要望します。
次に、保健師について健康福祉局長に伺います。
各区地域みまもり支援センターの地区支援担当を担う保健師について
・保健師の役割及びこれまでの評価と課題について伺います。
・2016年度と17年度の保健師の全市の配置人数を伺います。
【健康福祉局長答弁】
保健師については、乳幼児健診をはじめ、窓口相談や家庭訪問などを行うほか、地域包括ケアシステムの構築にむけ、専門多職種とともに個別支援への対応及び地域課題の把握や解決に向けた取組を進めているところです。これまでの業務分担から地区担当性にした事で、職員が地域に愛着を持って仕事に取組めると言った意識の醸成や、民生委員や児童委員等地域の方々からは相談先に迷わなくなったといった声が聞かれる等、徐々に変化が表れていると認識しているところです。
一方では、相談内容が多様化する中で、専門性や役割について認識し、個別支援の課題を通した地域づくり等関係機関と協力し、適切な支援に向けた取組が必要であると考えております。
次に、全市の地区支援担当の保健師の配置につきましたは、平成28年29年度4月1日現在で、ともに121人でございます。
【石田・質問】保健師の増員について健康福祉局長に伺います。
みまもり支援センターの、保健師は、乳幼児健診を始め、窓口相談や家庭訪問などを行なうほか、地域包括ケアシステムの構築に向け、専門多職種などと共に個別支援への対応、地域課題の把握や解決に向けた取り組みを進めているとのことです。
個別支援で母子に次いで件数が多いのが成人に関する内容で、今年度上半期だけでも6080件、これは閉じこもり予防等とのことです。次が障害のある人3489件となっています。
人口増加のもと対象者の増加、多様な生活課題が複雑に絡み合う等の個別支援の多様化がみこまれます。さらに、区の地域包括ケアシステムネットワーク組織の仕組みづくり、多世代交流の場づくりや地域の見守り体制、にない手づくり、地域の専門機関との連携等、多様な地域づくり等も担う保健師の配置を増やし、体制を強化すべきと考えますが伺います。
【健康福祉局長答弁】
少子高齢化の進展に伴い社会状況が変化をして行く中、要介護認定者の増加や、障害のある方々の加齢に伴う重度化・重複化、母子保健に係る様々な相談など、複合的な課題への相談ニーズが増加しているところです。
地域みまもり支援センターにおきましては、保健師を始め、社会福祉士、心理士等専門多職種が「個別支援の強化」と「地域力の向上」の取組んでおりまして、複合的な課題へ対応していくためには、庁内外の相談専門機関との連携がさらに重要となっております。
今後につきましても、地域との顔が見える関係づくりや住民全体の支え合いの仕組みつくりに力を入れて行くため、地域みまもり支援センタエーの専門職における迅速かつ適切な連携や、より一層の人材育成に取組み、職員一人一人のスキルの向上を図るとともに、職場の意見を踏まえ、執行体制につきましても関係局と協議・検討してまいりたいと存じます。
【石田・意見要望】
スキルの向上を図るとともに、職場の意見の踏まえ、執行体制につきましても関係局と協議・検討してまいりたいとのことです。先程、子ども未来局長は、助産師を含めたエ専門職の全体的な配置に付いて、関係局と検討すると言われました。是非、助産師を各区に配置し、そして保健師についても増員配置を強く求めます。