神奈川県立こども医療センターには、重い病気の治療を受けるために、県内はもちろん、全国から来院して長期にわたり入院しているお子さんがたくさんおられます。そのお子さんに付き添うご家族の宿泊施設「リラのいえ」を6月8日、議員団で訪問しました。認定特定非営利活動法人スマイルキッズが、こども医療センターから徒歩5分の場所に、温かい雰囲気の家をたてて運営しておられます。
川崎市にお住まいで、ご自分のお子さんを小児がんで亡くされた設立当時の初代理事長さんとお子さんを難病で亡くされた現理事長さんから、リラの家の設立への思いを聞かせていただきました。こども医療センターの面会時間は午前10時から夜の10時まで。それ以外の時間をご家族は滞在する場所がなければ車の中ですごしたり、あるいはホテルで宿泊される方々をみてきた。経済的な負担がとても大変だったり、健康も害する姿を目の当たりに見て、滞在する施設をつくって支援したいというのがきっかけだったとのお話を伺いました。
ご自分のつらい体験から、このように支援したいという強いお気持ちにふれ、本当に頭が下がる思いです。
ご家族の経済的な負担が少しでも軽くなり、精神的にもご家族が寄添えるようボランティアが協力して管理運営しています。1泊ひとり1500円、お布団等全部そろっていて、身一つでやって来ても大丈夫とのことです。個室は11室、いつも満室とのことです。
食事の提供はありませんが、自炊できるキッチンと寄付による食材を自由にご利用いただけるとのことです。近くのコンビニで買って来られる方なども含め、食堂・リビングでお食事をしながら交流する中で滞在する家族同士が支え合い、励まし合えるようになれたらと考えているとのことでした。
リラの家では、闘病している子どものきょうだい児の預かり保育も始められました.登録している保育士さんが交代で保育してくれています。患者のお子さんのきょうだいは、どうしても寂しさや不安を抱えることから、きょうだい児の保育をすることで、少しでも家族を支えられるようにと始まられたとのことです。
スマイルキッズ通信を読ませていただきました。「地元の病院ではもう手術ができないといわれ八方ふさがりだったけど、このリラの家の存在を知り、セカンドオピニオンをうけることができて手術が受けられ.退院することができた。リラの家で温かく接していただき本当に感謝している」。また、入院している弟さんが外泊でリラの家にいるので会いに来たというお姉さんは、「リラの家で久しぶりに一緒に姉弟、母親と一緒に泊まることができ、うちの弟はいろんな人に支えられて病気を治療していることがわかった.きてみてよかった」などのお手紙を読ませていただき、心をうたれました。
土地は横浜市が無償で貸与してくれ、建物はみなさんの寄付を中心に資金支援をお願いして、集めたとのことです。コンサート等たくさんの取組みを行って地域や社会に発信しておられます。
法人には理事、事務局員、ボランティア、保育士さんたちが総勢で約80名おられるとのこと。活動を通して得られる感動と勇気は共通しているとのことです。本当に大事な取組みと思います。