(石田)質問
微量の化学物質にさらされると、頭痛、思考力の低下、吐き気、目のかすみ、息苦しさ等の症状がでる化学物質過敏症が急増しているとのマスコミ報道が近年増えています。病名登録は2009年、その後、2012年に症例が急増したが、それは合成洗剤、芳香剤など身近な日用品の香りが「ますます刺激的、効果が長持ち」という宣伝で「消臭・香りブーム」がおきていることによるとの医師の投稿がありました。
昨年6月、「日本臨床環境医学会」主催の学術集会において、「シックハウス症候群・化学物質過敏症・電磁過敏症の最新知見と今後の展望」と題した市民公開シンポジュームが開催され、臨床医学や工学、健康リスク学、看護学等幅広い専門分野で活躍する研究者、医師たちが発言、国立病院機構盛岡病院で化学物質過敏症・環境アレルギー外来の担当医師は「外来新規患者の調査で柔軟剤等の香りがきっかけで化学物質過敏症を発症するケースが増えている」と報告されました。
同じ昨年7月と8月、日本消費者連盟が「香害110番」を実施したところ、2日間で213件もの相談が寄せられたといいます。訴えに共通するのは、頭痛、吐き気、めまいなどあらゆる症状が持続してそれまでの生活が困難になったこと。香害が個人の好みの問題とされ神経質な人という偏見の目から誰にも救済されず孤立しがちであることのことです。このように、発症も症状も深刻になっている化学物質過敏症について、予防措置を講じ被害を防ぐ対策の検討が求められています。
化学物質過敏症に苦しむ児童生徒の対応について伺います
文科省は2012年、「学校における化学物質による健康障害に関する参考資料」を通知していますが、化学物質過敏症を有する児童生徒への配慮及び、学校教育の機会の確保に関する個別対応の基本的な考え方、本市の対応を伺います。
(教育次長の答弁)
市立学校では、児童生徒から化学物質過敏症、または似たような症状の相談を受けた場合は、児童生徒の状況に応じた個別の配慮を行う等の対応を行っているところでございます。
(石田)質問
文科省の通知によると「化学物質過敏症」と考えられる症状の発現を経験している児童生徒の受け入れに際しては、当該児童生徒の保護者、主治医及び学校医などのから症状に対する対処方法などの指示を受けておき、そのことについて全ての教職員が共通理解し、温かく見守り、対応できるようにしておくことが大切」とし、「症状の程度により児童生徒自身が対処方法を判断できる場合には、児童生徒等の選択を尊重して支援することも考えられる」と述べています。
答弁では、個別の配慮を行なうなどの対応を行なっているとの事ですので、そのような場合には、児童生徒自身、保護者と話し合い丁寧な対応をよろしくお願いします。
学習の個別に関わる部屋の確保の場合、教育活動サポーター配置事業の対応を検討できないか伺います。
(教育次長の答弁)
各学校におきましては、児童生徒へのきめ細やかな学習支援を行うために、教育時活動サポーターを配置する事はございますが、個別の教育的配慮が必要となりますので、教員が学習指導にあたることとなります。
(石田)質問
教育活動サポーターはきめ細かな学習支援を行なう為に配慮することは
ある。個別の学習が必要な児童生徒については、教員が学習指導にあたることとなるとのことですので、個別に応じて必要な場合には、人員配置を要望しておきます。
文科省の通知では、教育委員会等は「『シックハウス症候群』や『化学物質過敏症』等に対する情報の収集を行い、研修等を通じて所管の学校への情報提供が求められる」としています。本市の対応を伺います。
入学の際、一人一人の心身の健康状態を知り、学校生活を送る上で健康管理に役立てるための「保健調査票」を保護者から提出していただいています。今後増える傾向にある化学物質過敏症についても、記入欄なり把握に努める方法を検討すべきと考えますが伺います。
(教育次長の答弁)
情報の収集及び提供につきましては、文部科学省、厚生労働省等から最新の情報を収集する事に努め、必要に応じて、市立学校へ情報提供を行っており、今後も国の動向を注視してまいります。
次に、保健調査票による把握方法につきましては、「学校での配慮事項」や「現在の身体について学校で知ってほしい事」などを記載できる欄が設定されておりますので、各学校がその欄を活用する事で、健康状態の把握が行えるものと考えているところでございます。
(石田)意見要望
昨年2月の国会では、わが党議員が、国立病院機構盛岡病院には、全国から患者が集まっているとのこと。貴重なデータを生かし、全容と実態の把握を要求、厚労相は「知見を集積していきたい」と答弁しました。さらに化学物質過敏症患者の一元的な窓口設置を要求したのに対し、山本環境相は「深刻な状況を認識した。関係省庁と連携し取り組んで生きたい」とこたえました。
今年の5月には、日本消費者連盟は、4省庁、議員、市民による緊急員内集会を開催し、消費者庁には相談窓口の設置、厚労相には、原因物質の究明と規制、文科省には学校等公共施設での自粛啓発、経産省には洗剤業界への指導、4省庁による連絡会議の設置を要望しています。
新聞に、化学物質過敏症の子どもをもつある関西在住の母親の記事が掲載されていました。虚弱児対応の特別支援学級に所属し、空気清浄機を設置し、ワックスはミツロウワックスに。先生の着る服の洗濯には合成洗剤を使わないなど一つ一つ改善してもらった。
学校側がどうしたらこの子が学校に通えるか、何を変えたら気持ちよく勉強できるか、息子の立場に立って一緒になって考え対応してくれた。中学への引継ぎも熱心にしてもらい、今では運動部に所属するまでになっている」ということです。是非、川崎においても科学物質過敏症と診断される児童生徒に対応する場合には、こうした丁寧な対応を要望します。