精神科の夜間救急体制は.神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の4県市で体制がとられていますので、川崎以外の遠方に搬送される事が多くとても大変である事、他科救急の時に精神に疾患がある事を言うと断られてしまう事がある事等が寄せられ、これまでも市内の救急体制の拡充を求めてきました。
(石田)質問
私は、2015年の決算審査特別委員会において、精神科基幹病院であり、「措置入院などの3次救急患者」や「医療保護入院等の2次救急患者」の受入を担う市立川崎病院において対応の拡充ができないか、又、精神保健指定医の不足から、夜間救急患者について、火曜日夜間のみしか受け入れていないことから、早急に指定医を確保し責任を果たすべきと質問しました。
当時の病院局長は、精神保健指定医の不足などから、充分な受け入れ態勢ができておらず、早急に解決すべき問題のひとつとして認識していると答弁されました。
まず、精神疾患による夜間休日の救急の市内の通報相談件数の総数を 2016年度、17年度の推移を伺います。そのうち、本人や家族の相談で外来診療でよいと判断された初期救急、同じく入院が必要とされた2次救急、自傷・他害の恐れがあって警察官通報で入院となったもの、のそれぞれについて件数を伺います。
さらに、そのうち市内の医療機関につながった件数を伺います。
(健康福祉局長の答弁)
はじめに、市内の通報相談件数の総数は、平成28年度 1,065件、29年度 1,060件でございます。
そのうち、休日夜間の相談窓口である精神科救急医療情報窓口を通じて医療機関を紹介した患者数でございますが、外来治療が必要であると判断された初期救急につきましては、平成28年度は12人で、そのうち、市内医療機関につながった患者数は2人、29年度は11人で、うち、市内医療機関は1人でございます。
次に、入院治療が必要であると判断された二次救急につきましては、平成28年度は57人で、うち、市内医療機関は8人、29年度は35人で、うち、市内医療機関は8人でございます。
次に、警察官通報により、自傷他害のおそれがあり、入院治療が必要であると判断された三次救急につきましては、平成28年度は97人で、うち、市内医療機関は22人、29年度は191人で、うち、市内医療機関は40人となっております。
(石田)質問 ―川崎病院における精神科救急について
2017年度、警察官通報による3次救急の入院が急増しています。前年の2倍191名に上り、そのうち市内病院の対応は40名だけです。川崎病院医療機能再編整備基本計画において、精神科救急の受け入れ体制の強化がどのように盛り込まれているか考え方と具体的な内容を伺います。
精神保健指定医の確保の現状と基本計画における確保計画についても伺います。
(病院局長の答弁)
川崎病院におきましては、精神科救急の基幹病院としての役割を適切に果たすために、精神保健指定医を初めとする医療従事者の確保と、保護室の増室が課題となっております。
川崎病院医療機能再編整備基本計画では、精神科は、精神疾患を有する身体合併症患者の治療をはじめ、高度・特殊な治療や処置などの地域医療二ーズに対応するための体制の整備や、精神科救急の基幹病院として受入体制の強化を進めるとしており、具体的には、保護室を2室増室し6室とし、それに伴い病室等の配置を見直してまいります。
また、精神保健指定医につきましては、現在、3名体制となっておりますが、引き続き、受入体制の強化に向けて、精神保健指定医等医療従事者の確保に取り組んでまいります。
(石田)質問 ―保護室の増室等について
保護室を4室から6室へ増室する計画とのことです。保護室の増室で、どのような機能が充実するのか伺います。また、他科救急についての対応についても病院局長に伺います。
(病院局長の答弁)
保護室が増室されることにより、現在、輪番で担っている火曜日夜間の措置入院や医療保護入院などの精神科救急患者の受け入れ人数の拡大が図られるものと考えております。
次に、他科救急についてでございますが、精神病床を有する総合病院として、精神疾患を有する他科救急患者を受け入れているところでございまして、今後も、救急科など、他の診療科の医師、看護師等と連携し、受け入れ体制の確保に努めてまいります。
(石田)要望
増室する事で火曜日夜間の3次、2次の救急患者の受入が拡大できるとの事です。1歩前進とは思いますが、2次、3次の通報相談件数合わせて226人中、市内病院の受け入れは48人です。基幹病院である川崎病院の受け入れ体制の更なる強化と拡充が必要です。精神保健指定医は現在、3名体制ですが、今後増やすことで、火曜日以外の曜日も受け入れることができるよう病院局長に強く求め
ておきます。
(石田)質問 ―休日夜間帯の受け入れ体制について
身近な地域での休日夜間帯の受け入れ体制の強化も課題とされてきましたが取組みについて、伺います。
(健康福祉局長の答弁)
本市の精神科救急医療体制につきましては、神奈川県を一つの医療圏として捉え、神奈川県、横浜市、相模原市との協調により、体制整備を進めているところでございます。曜日や時間帯を問わず、身近な地域で必要な時に必要な医療を受けられることは大変重要であると認識しており、4県市において精神科救急医療体制の充実に向けて協議を重ねているところでございます。
本市では、身近な地域での休日夜間帯の受け入れ体制の強化を図るため、川崎市精神科医会、川崎市医師会等の関係団体と連携し、現在平日夜間帯に確保している精神科初期救急医療体制を、より受信ニーズの高い休日夜間帯へ開設時間帯の変更を検討しております。併せて、現在市内診療所の輪番により点在化している診療拠点を定点化することで、市民の医療アクセスの向上図るなど、精神科初期救急患者の受け入れ体制の年度内の拡充に向けて検討を進めているところでございます。
今後におきましても、4県市において課題等の検討や施策の実現に向けた協議をすすめ、精神科救急医療体制の充実に向けた取組みを進めてまいりたいと存じます。
(石田 意見・要望)
精神科初期救急患者の受け入れ体制の年度内の拡充に向ける検討を進めているとのことです。当事者の意見要望を反映した体制の拡充を要望し、注視していきたいと思います。
先ほども要望した精神保健指定医についてですが、3次救急の措置入院の場合は1人の患者さんに2人の精神保健指定医の判断が必要です。現在3人の方がいますが、さらに、増員を確保して、火曜日以外の曜日も公立病院としてになえるよう、強く要望しておきます。