教育をめぐる環境改善として、「行き届いた教育と教職員の働き方について」「学校へのエアコン設置」「就学援助事業」「学校給食の無償化」「高校奨学金について」を12月6日行なった代表質問でとりあげました。そのうち、「行き届いた教育と教職員の働き方」について、内容を以下報告します。
【質問】
学校現場の長時間労働は極限に達し、社会問題になっています。
本市においても、教職員の勤務実態調査の結果(速報)で、中学校の教諭は毎日平均12時間45分余、小学校は約11時間働いています。長時間労働がきわだっています。
いじめの件数も不登校児童生徒も前年よりふえている
10月配布資料によると、2017年度のいじめの件数は小中合計2176件で16年度より780件増加、不登校児童生徒数は小学校430人で前年より52人増加、中学校では1242人で前年度より126人増加、1000人当たりの出現数は42,4人です。生徒指導や保護者との意思疎通を図ることが求められます。
最優先で行なうべきは教員の定数を増やすこと
文科省は2016年「次世代の学校指導体制にふさわしい教職員のあり方と業務改善のためのタスクフォース」を設置。教員の長時間労働の是正を図る事が不可欠であり、業務の大胆な見直しを着実に推進し、教員が子どもたちと向き合える環境整備を推進するとしました。生徒にゆきとどいた教育を実践し、教員の異常ともいえる長時間勤務を解消するために、最優先で行なうべきは教員の定数を増やす事です。
定数を決める権限は政令市にある今こそ少人数学級の拡大を
先の第3回定例会で教育長は少人数学級がもたらす効果も充分に認識していると答弁されました。政令市に教員の定数を決める権限が委譲された今、既に12政令市が踏み出し、2016年9月の資料においても、県レベルで、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、群馬県、千葉県、新潟県などをはじめ、多くの自治体で実施しています。一人一人の子どもたちに目が行き届き、学習のつまずきの発見や個々の学習進度等に応じた指導が可能となる少人数学級のための定員増を検討すべきです。伺います。
学校の業務削減も重要な課題です。給食業務の公会計化を
文科省も先に述べた「タスクフォース」で公会計化の必要性を述べています。国のガイドラインを待つことなく、既に実施している自治体があるのですから、本市も早急に踏み出す事をこの間求めてきました。本市の取組み、検討状況、スケジュールを伺います。
【教育次長の答弁】
本市においては、児童生徒の習熟度に応じた指導や特別な教育的ニーズに対応するため、指導方法工夫改善定数を活用して、少人数学級を含め、少人数指導やティーム・ティーティングを選択できるようにしており、各学校が実情に応じてきめ細やかな指導ができるよう、教育環境の充実を図っているところです。少人数学級に付きましては、児童生徒ひとりひとりに目が行き届きやすくなるなどの一定の効果はあるものと考えております。
更なる少人数学級の実施の拡大を図るため、引続き、指定都市教育委員会協議会、指定都市市町会等、様々な機会を通じて国に対し、義務標準法の改正を含む定数改善計画の策定、実施を強く要望してまいります。
給食費の公会計化について、
文部科学省から通知された「学校における業務の適正化」におきましては、学校現場の負担軽減等の観点から、学校給食費の徴収・管理を地方自治体が自らの業務とする学校給食費の公会計化を導入する事が望ましいとしており、本年度中に「学校給食費の徴収・管理業務に関するガイドライン」の策定が計画されております。
本市においても、今後示される国のガイドラインや他都市の状況等を踏まえ、学校給食費の公会計化に係る課題を整理し、教職員の負担軽減につながる取組みとなるよう導入に向けて検討してまいりたいと考えている。
*少人数学級については、「国に要望していく」というのみで、今までと答弁はほとんど変わらずでした。先生が授業準備時間を確保するには現状では生徒が帰ってから、それとて、いろいろな会議や校内の担当業務を行なってからが多いというなか、終業時間を超えて夜遅くまでやるしかありません。休日出勤もとても多いというのが現状です。勤務実態調査の結果を一体どう受け止めているのでしょうか。どう改善するというのでしょうか。他都市でどんどん進めている少人数学級の学年の拡大を川崎も一刻も早くやるべきです。