公立保育園は、園庭開放や育児相談など長年地域の子育て支援をになってきました。川崎市はその公立保育園を次々民営化してきましたが、各区3カ所ずつ残し、「新たな公立保育所」と位置づけ、①地域の子育て支援、②民間保育所への支援 ③公・民保育所人材育成 という3つの公的機能をもたせ、2014年度から全区で事業展開しています。しかし、各区役所には保育総合支援担当を配置しましたが、新たな公立保育所には、保育士の増員がされないなか、機能増加に伴う多くの業務を行なっています。この間、私は、保育園にこそ増員すべきと質問してきましたが、このたび、3カ所のうちのセンター園を改築して、(仮称)保育・子育て総合支援センターになる方向性が打ち出されましたので、あらためて質問しました。
【石田質問】
(仮称)保育・子育て総合支援センターの開設について質問します。
各区3カ所の「新たな公立保育所」は2014年度から全区で実施されてきましたが、3つの機能を増やすことによる業務の増大に伴う人員増が必要と繰返し求めてきましたが、人員増がされてきたのか伺います。また、「新たな公立保育所」から「保育・子育て総合支援センター」の開設に向けた方向性と具体的にはどのような取組みを行なうのか伺います。
3つの機能の強化に向け、各区保育総合支援担当を配置する等、体制の構築をはかってきたところです。
センターの開設に向けて、大島保育園の新園舎完成とあわせ、3つの機能の強化と具現化を図るため、平成31年8月の開設をめざしている.保育所機能にあわせ、センターが地域に密着した子育て支援の実践の場として、これまで培ってきた子育て支援機能とそこに付随する様々な資源や取組みを連携・活用してまいりたいと考えております。
【石田質問】
各区に保育総合支援担当が配置されているものの「新たな公立保育所」自体に増員配置がない中で、3つの機能を担うために現場の対応は大変です。
公開保育や出前保育、地域の親子が参加して在園児と一緒に「体育遊びの会」や「親子でランチ」等、たくさんの取組みをしています。1例の「親子でランチ」の取組みは、お子さんと同年齢のクラスに親子で入り一緒に遊んだあと、ランチタイムを設け、保育士や栄養士に育児や食事の相談もできる、まさに地域の子育て支援です。ニーズが高く、予約がすぐに一杯になる事が多いとの事です。
園の地域支援担当の保育士が地域支援の年間計画をつくり、他にもお父さん講座、食育講座などさまざまな取組みを計画、企画にあう職種や年齢の保育士が地域支援担当者と相談しながら計画書をつくり文書で提出するそうです。まさに、園ぐるみで取組んでいるのです。
親子でランチの日は区役所から保育総合支援担当がくるそうですが、親子がクラスに入り一緒に遊んだり食事したりするのですから、担任の対応が不可欠です。終ったあとは報告書の提出があります。クラス担任を持ちながらそうした役割もこなします。しかし、「新たな公立保育所」になっても、職員配置基準は、何年も前から同じです。機能が増えたのですから「新たな公立保育所」にこそ、担うべき職員増はどうしても必要です。伺います。
ある「新たな公立保育園」のセンター園の総合評価及び全体の評価講評をインターネットでみました。「更なる改善が望まれる点」として、現状でも地域の子ども・子育て支援を行なっている点を評価しつつ、「川崎市の「新たな公立保育所のありかた」では、自園の保育機能と地域支援機能が同格となり、これを同格にするためにはむしろ地域支援機能の方に力をかけるくらいの体制が必要」とありますが、自園の保育と同格の取組みができる体制=職員配置になっていると考えているのか伺います。
【子ども未来局長の答弁】
取組みの推進にあたっては、「新たな公立保育所」の3つの機能の強化・充実に向け、保育園と各区保育総合支援担当とが連携し、地域における子ども・子育て支援や民間保育所等の運営に関する支援などの役割を担っているところです。今後におきましても、取組み内容の強化・充実等に併せ、必要な職員配置や体制等について、関係局と協議してまいります。
【石田質問】
これまで、機能強化に伴う施設整備と人員増については、改築の際に行なうとの説明をうけてきました。「保育・子育て総合支援センター」の機能強化に伴う施設整備について伺います。また、人員増についても、職種含めて考え方を伺います。
2020年10月に開園予定の中原区のセンターについてです。今年度、中原区の認可保育園は80カ所、川崎認定保育園は33カ所と突出して多く、一番少ない麻生区の2,6倍にもなります。以前、私は、支援する対象の園が突出して多い中原区と次に多い高津区の新たな公立保育所は3カ所でなく4カ所にすべきと質してきましたが、カ所数を増やすのではなく、体制の強化で対応すると言われてきました。中原区の「保育・子育て総合支援センター」の開園に当たっては体制を他のセンターより強化すべきですが伺います。
【こども未来局の答弁】
川崎区において現在建設中の(仮称)保育・子育て総合支援センターの整備を基に、研修・会議スペース、地域子育て支援スペース、医療・処置室、個別相談室等施設としての標準を検証し、今後予定している中原区でのセンターの開設に反映さえてまいります。
また、センターにおける取組みの強化充実に当たっての体制等に付きましても、併せて検証してまいりたいと考えております。
【石田質問】
現在決まっている建替えスケジュールは、「保育・子育て総合支援センター」になる大島・大島乳児保育園と中原保育園、ブランチ園の生田・生田乳児保育園、古川保育園、藤崎保育園の5園です。残る16カ所も老朽化していますし、園舎の狭隘さから機能強化の取組みに必要なスペースの確保が困難な園もあるとききます。機能を強化する上では、施設整備が不可欠と思いますが、今後の改築に向けた考え方とスケジュールを伺います。
【子ども未来局長の答弁】
「川崎市総合計画第2期実施計画」におきましては、センター園2園、ブランチ園3園の整備が計画上位置づけられていますが、残りの園につきましても、施設の状況等を踏まえ、センター園を中心とした整備について、次期実施計画への反映に向けて検討してまいります。
【要望】
新たな公立保育所に職員の増員配置が必要と求めました.取組内容の強化・充実等に併せ、必要な職員配置や体制等について関係局と協議してまいりますとの事です.是非早急な対応を強く求めておきます。